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星野会計事務所

税務ニュースレター

No. 00-5 November 27, 2000

過去のニュースレター記事は、当事務所のホームページ http://www.hoshino-cpa.com で閲覧することが出来ます。

このニュースレターは当事務所が独自に選択したトピックをカバーしておりますが、必ずしも細部には及んでおりませんし、当事務所の意見書として意図しておりません事をご了承下さい。

お断り:ここ暫くの間、ニュースレターの発刊が遅れておりました。これは、実は今なかなか決まらない大統領選と関係しております。当方では、(1)遺産・贈与税の撤廃を求める法案、(2)結婚したがために、独身よりも税金上不利になってしまう通称「マリッジ・ペナルティー」と呼ばれる不公平を是正する法案、の動向をニュースレターで報告するつもりでおりました。所が、共に議会の上下院を通過したにも拘らず、クリントン大統領の「拒否」発動により頓挫してしまいました。(共に大統領の拒否を無効とさせるのに必要な3分の2以上の賛成多数を擁していませんでした。)

ひとつには、11月の大統領選・上下院を睨み合わせて、共和党と民主党とが充分にお互いの調整をせず、共和党の側では寧ろ大統領の拒否を予想して、両党の政策の違いを鮮明にするのに利用した事情が背景にあります。両法案は来年にはまた復活する可能性が大ですので、立法化され次第報告するつもりでおります。

来年からのキャピタル・ゲイン課税の微妙な違いにご注意!!

ウォールストリート・ジャーナル紙11月1日号(CAPITAL GAINS TAX RATES will drop slightly next year for some investors.と題する記事)でも紹介がありましたが、来年(2001年)実効となる新たなキャピタル・ゲイン税率についての皆さんの注意を喚起すべく、ここに少しばかり詳しく説明致します。

1997年の税制改定(Taxpayer Relief Actの成立)にともない、12ヶ月超保有の資産売却・交換により生じた長期キャピタル・ゲインに対する税率がそれ迄の28%から20%(あるいは課税所得が通常税率でみたら15%の範囲の低所得であった場合は、20%の半分の10%)に下がったことはご記憶の読者がかなりおられる、と推察します。実際は、実効が先の年になるものの、更に有利な18%(あるいは8%) の税率も税制改定で加えられていました。その実効がいよいよ来年に開始となる部分があります。2001年1月1日以降のキャピタル資産の売却・交換につき、キャピタル・ゲインも含めた納税者の課税所得に応じて、以下の如く微妙に相違するふたつの適用があります。

(1)売却・交換の時点でその資産保有期間が5年以上であり、(2)このキャピタル・ゲインを含めた課税所得が通常税率でみたら15%の範囲の低所得である場合、税率は10%ではなく8%となる。

(1)売却・交換の時点でその資産保有期間が5年以上であり、(2)このキャピタル・ゲインを含めた課税所得が通常税率でみたら15%以上の所得であり、更に(3)資産の取得が2001年1月1日以降である場合、税率は20%ではなく18%となる。

 

上記にある課税所得ですが、2001年については、独身なら課税所得が$27,050、夫婦合算申告なら合計課税所得が$45,200、夫婦個別申告なら課税所得が$22,600、独身世帯主なら課税所得が$36,250、の範囲ならば通常の税率が15%となり、超えると通常の税率は15%以上となります。

上記2ですが、条件のひとつとして資産取得が2001年1月1日以降とありますので、18%の税率の恩恵を受けられるのは、5年後の2006年まで待たねばなりません。

関連節税策

5年以上保有のキャピタル資産売却を考えている方で、退職などの理由で所得の少ない方(通常の税率が15%となる方)にとっては、今年2000年に売却益をあげるよりも、来年2001年に売却益をあげるようにすれば、連邦税は10%ではなく8%となり2%分の節税ができる筈である。

自分は通常の税率が15%以上である場合、例えば2001年末には14歳以上になっている子供に、株券などの含み益のあるキャピタル資産(市場価値で1万ドル以下なら贈与税は非課税)を贈与し、その子供が2001年1月1日以降に売却する、といった策を考えることが出来る。この場合、この子供にとって売却益を含めたその年の課税所得に対する税率が15%の範囲にあり、親の資産保有期間と子の資産保有期間が合計して5年超であれば、その子供は8%の税率で計算した税で済むことになる。贈与の場合、贈与者(親)の保有期間と取得簿価は受贈者(子供)に受け継がれるので、これが可能となる。親がそのまま売却してしまうと、2001年1月1日以降の購入ではないため、18%どころか20%の税率が適用されてしまうが、子供に贈与することで何と12%もの節税ができる筈である。(ウォールストリート・ジャーナル紙の記事後半はこのことを手短かに説明している。)

公開株などのキャピタル資産については、2001年1月1日に恰も売却したかのように税務上で報告できる「選択」があるので、これを利用して節税できる場合もある。例えば、自分の勤務する会社の株などを所有していて、今はまだ左程の含み益を上げる程市場価格があがっていないものの、将来には絶対に大きな値上がりが期待できる場合は、まず、2001年(注意-2000年ではない)の税務申告書でこの選択を取り、含み益(2001年1月2日の株手締まり価格マイナス購入簿価)を計上し、そのキャピタル・ゲインに対する税(12ヶ月超保有であれば20%か10%の税率)を支払う。そうすれば、恰も売却して再取得したのと同じく、市場価格を税務簿価とし、2001年1月1日を取得日として再スタートすることが出来るので、5年経過するのを待ち、期待通り大きな値上がりがその間にあれば、20%ではなく18%のキャピタル・ゲイン税率での課税になり、2%の節税が出来る筈である。

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最終更新日: 2008/01/14