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星野会計事務所

税務ニュースレター

No. 98-5 December 1, 1998

このニュースレターは当事務所が独自に選択したトピックをカバーしておりますが、必ずしも細部には及んでおりませんし、当事務所の意見書としては意図しておりません事をご了承下さい。 

年末までの節税策 

98年も残り少ない日数となりました。そして、毎年恒例の個人所得税の税務申告がまた来年早々から開始します。以下、今年中に取っておいた方が良さそうな措置のいくつかを紹介致します。 

  1. 「従来のIRA」(拠出時に拠出額は課税されないが、引出すと課税されるIRA-Individual Retirement Account 個人退職口座)から、98年に適用開始となる「ロスIRA」(拠出時に拠出額は課税されるので、引出した時点では課税されないIRA)へ 98年12月31日までに移管(rollover)すれば、移管に伴い発生する税(つまり、過去に課税されていない拠出額に対する税)については、98年の税として全額一括して支払わずに4年間の均等税支払いにすることができます。税の支払いを遅らせることができるのは大変に有利なことです。

  2. 97年の税制改革で誕生したロスIRAについては、97年8月22日号及び98年1月12日号の当事務所ニュースレターでも説明しましたが、従来のIRAに比べ、(1)引出しの年齢制限がないこと、(2)拠出金の引出しは既に課税されているので非課税、(3)引出しが条件に叶っていれば、拠出金が生み出した投資利益部分についても非課税、などがあり有利です。それ故、特に引出しが長い将来の後になる若い世代には魅力のあるIRAとなっています。

  3. 98年から実施となった州の大学教育費貯蓄プログラムがあればこれに参加することにより、98年州税の節税を計ることができます。例えば、次のトピックで詳しく説明しますNY州の同プログラムは98年から実施となりましたが、98年12月31日までに拠出すれば最高で5千ドル(夫婦なら1万ドル)まで、拠出額をNY州の課税所得から控除することができます。

  4. この他、個人所得税は現金ベースですから、年末の節税策としては月並みですが「所得、経費の前倒し、後送り」が毎年の策としてあります。98年の課税所得を少なくした方が有利であれば、所得はなるべく99年に先送りし、経費は98年に前倒しできないかを計ることになります。この反対に課税所得を多くした方が有利であれば、その逆となります。自営業などで予定納税をされている方については、99年1月15日支払期限の4回目州税予定納税につき、12月末まで支払いを済ますことにより経費(連邦税計算の計算の上での個別控除項目のひとつ)の前倒しをすることができ、98年の所得を減少させるのに役立てられます。

ニューヨーク州大学教育費貯蓄プログラムのお知らせ

(年末までに拠出すれば98年分のNY州税が節税されます!!) 

アメリカの大学の授業料・寮費が高騰しており、多額の借金を抱えて社会に出る生徒が増加しているとの報道があるなど、子供を持つ親にとっては恐ろしい状態が進行しております。幸いにして子供が高い給料を貰える仕事にでもつければ借金も返却できるでしょうが、その保証はありません。授業料の値上がりは特に私立の大学で顕著でありますが、公立の大学でも有名校では比較的に高額の授業料になっております。私立の有名大学の場合、授業料・寮費を合計して年間3万ドルから4万ドルもの大変な費用がかかるのは既に常識になっております。 

当事務所の所長星野もその一人ですが、アメリカに根をおろし子供もこちらで大学教育を受けさせたいと願う親にとっては、インフレ以上に暴騰する授業料の値上がりは頭の痛い問題であります。さて、ここでニューヨーク州に居住している親にとっての耳よりなニュースがあります。それは、98年から実施されることになった大学教育貯蓄プログラムのことです。

プログラムの骨子 

このプログラムは、子供の将来の大学授業料のための(1)貯蓄プログラムに誰でも参加でき、(2)NY州個人所得税の上で年間最高5千ドルまでの拠出額を課税所得から控除、しかも(3)その拠出金が生み出す将来の利子・配当金所得に対してはNY州個人所得税の上では非課税、とするものです。(連邦税の上では拠出額は所得の控除となりませんが、拠出した資金が生み出す投資所得は資金を引出すまで課税が繰延べされます。)この貯蓄プログラムには親以外の人が参加しても構いませんし、授業料支払いのため引き降ろしは、別にNY州に所在する大学に限られません。また、5千ドルの控除も夫婦でそれぞれに権利があるので、夫婦で最高1万ドルまで控除とすることが出来ます。 

98年の税務申告書は来年である99年になって提出することになりますが、98年のNY州個人所得税の計算の上で拠出額を控除するためには、(1)至急登録用のキットを入手しこのプログラムに参加する(電話で注文して4-5日で届く筈)こと、(2)そして年末の12月31日までに払込みを済ませること、が必要になります。参加の申込み、問合わせの電話番号は877-697-2837(月曜から金曜、朝8時から夜8時)。www.nysave.orgにアクセスすればインターネットでも情報が得られます。 

このプログラムに関し、「ニューヨークの大学教育費貯蓄プログラム?その投資見返りを想像して」と題する小冊子が発行されていますので、この翻訳(私訳)を参考に添付致します。小冊子にあるQ&A問答の最後近くの問答では、この教育資金への投資には保険や保証がないことになっています。最悪の場合は無価値になるリスク(その可能性はほとんどない)があることはご承知下さい。

他州での動向 

NY州以外の州でも同様なプログラムが計画されています。ニュージャージー(NJ)州についての問合わせ電話番号は877-465-2378、コネチカット(CT)州についての問合わせ電話番号は888-799-CHETとなっております。

 

ニューヨーク州STAR学校不動産税削減プランのお知らせ 

NY州に住居を所有している個人には、既に地元市町村の不動産税鑑定部署からSTAR(School Tax Relief)プランについての説明書と同プランへの参加申請書が送付されてきている筈ですが、このSTARプランは、不動産税の一部である学校税(School Tax)の削減を目的としています。恩恵は、(1)65歳以上の住居所有者で、連邦税務申告書での調整後総所得(AGI)が6万ドル以下の住民に対する拡大軽減[enhanced exemption]、と(2)この(1)の条件を満たさない住民に対する基礎軽減[basic exemption]、との2種類があります。(1)は1998-1999年の学年(School Year)から適用され、平均11.25%の減税で始まり2002年には平均45%の減税が予定されています。(2)は1999-2000年の学年から適用され、平均9%の減税で始まり2002年には平均27%の減税が予定されています。 

適用を受けるためには、申請用紙RP-425をtaxable status dateまでに地元の不動産税鑑定部署へ提出しなければなりません。この期限日は地域によってバラバラですので注意する必要があります。ちなみに、NY市の申請書提出期限は99年1月5日になっています。申請書及び問合わせは無料電話番号888-697-8275、あるいはインターネットwww.orps.state.ny.usで情報が得られます。また、NY市については電話番号718-935-9500が問合わせ先となっています。

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私訳

ニューヨークの大学教育費貯蓄プログラム

--その投資見返りを想像して 

      ジョージ・E・パタキ                H.カール・マッコール

       州知事                        州監査官 

州監査事務所

高等教育サービス会社

TIAAによるプログラム運営/投資管理

拝啓

ニューヨーク(NY)州民の方々へ 

NYの大学授業料貯蓄プログラムは、若い世代のニューヨーカー達にとって、大学教育をもっと経済的に余裕あるものとさせる特別な新しい機会を提供するものであります。プログラムは単純明解です?将来の大学生のため、親、祖父母、親類、友人の誰でも「授業料貯蓄口座」を開設することができ、その投資は月々25ドルから始められます。 

基準認定された(accredited)米国での大学のための教育費として、貯蓄が使われるのであれば、毎年積立てられる貯蓄の内、5千ドルまではNY州の個人所得税の上で、所得から控除することができますし、その投資から得られる所得はNY州では非課税扱いとなります。連邦個人所得税の上では、投資から得られる所得は、学生が貯蓄を大学教育費のために使い始めるまでは、非課税扱いとなります。その課税も学生の(訳者注:低い)税率が適用されるだけです。 

州監査官(State Comptroller)と高等教育サービス会社(Higher Education Services Corporation)が共同でこのプログラムを実施しております。そして、2億ドル以上もの管理資産を有し、NY州にベースを置く非営利金融サービス組織であるTIAA(TIAA-CREFの一部門)がその管理運営を担当致します。 

教育とは即ち投資であります。我々の子供の将来、つまりNYの将来は、大学教育が提供できる機会に依存しております。大学教育のための出資最善の方法は、今からその対策と貯蓄を開始することです。 

添付の情報は、NY州大学選択授業料貯蓄プログラム(New York State College Choice Tuition Savings Program)に関するものです。まずは読んでみて下さい。そして、もっと詳しい情報と登録用紙一式のためには、無料サービス電話番号1-877-NYSAVES(697-2837)までご連絡下さい。NY州民の方々が子供達の大学教育のため一刻も早く貯蓄を開始して頂ければ、その投資は全てのニューヨーカーにとって実りのあるものとして返って参ります。

敬具 

ジョージ・E・パタキ      H.カール・マッコール

州知事                   州監査官 

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Q: NY州大学選択授業料貯蓄プログラム(New York State College Choice Tuition Savings Program)に基づく授業料貯蓄口座(Tuition Savings Account)へ、誰が拠出することができますか?

A: 誰でも授業料貯蓄口座(Tuition Savings Account)を開くことができます。但し、NY州税を支払っている個人には、大学貯蓄プログラム(College Savings Program)に基づく口座への拠出の方が魅力があるといえます。もし貴方がNY州の居住者ならば、NY州の個人課税所得を計算する上で、貴方の授業料貯蓄口座への拠出額は全額(上限5千ドル)控除することができます。(既婚夫婦については、夫婦合算申告していようと夫婦個別申告していようと、それぞれが毎年最高5千ドルまで控除することができますので、合計で最高1万ドルまで控除できることになります。)祖父母、叔父、叔母、友人など、子供に対する大学貯蓄口座を設置したいと希望する人なら誰でも口座を設置することができ、NY州税での控除措置を利用でき、かつ拠出が生み出す所得も連邦税の上で課税繰延べすることができます。

Q:このプログラムへの拠出金額はいくらならできるのですか?

A: 銀行口座からの電子自動振込み、あるいはプログラム参加企業での従業員給与自動引落としなら、月々最低25ドルの拠出から授業料貯蓄口座を始められますし、小切手による拠出なら最低250ドルの拠出から始められます。拠出額に上限はありません。しかし、NY州税の上での控除は毎年5千ドルが上限となっています。また、受益者(beneficiary。訳注:教育資金の恩恵を受ける子供のこと) 一人のための拠出合計は、最高で10万ドルを上限としています。 

Q: この資金はNY州にある基準認定された大学のためにだけしか使用できないのですか?

A: プログラムの開発にあたっては、柔軟性を持たせることは重要な課題でした。授業料貯蓄口座からの支払いは、米国内にある基準認定された大学ならどの大学のためでも構いません。

Q: このプログラムに参加するためには、申請費用がかかりますか? また、その他のプログラムに伴う費用がかかりますか?

A: 口座を開設する個人に対しては、申請費用などは一切かかりません。但し、適格高等教育費用(qualified higher education expense)以外の目的のための口座からの引落としに対しては、たいていの場合連邦政府が強制する10%(訳注:引落とし額に対して10%)の罰金が課せられます。

Q: 口座に貯まったお金はどう使用して良いのですか?

A: このプログラムは適格高等教育費用の支払いのために使用されるべくできています。基準認定された4年制大学、大学院、高等教育の専門学校(professional institution of higher education)、認可されているビジネス・商業・技術・その他の職業専門学校への入学・就学のために必要とする授業料(tuition)、手数料(fee)、生活用品(supplies)、寮費(room and board)、書籍(books)、器材(equipment)の出費に使用することができます。

Q: 私には子供が1人以上おります。子供1人づつに口座を開かねばなりませんか?

A: イエス。1口座には1人の指定された受益者しか持てません。しかし、親はまず1人の子供のために口座を開設し、後になって受益者の名前を家族の他の子供の名前に変更することもできます。

Q: 高校生の年齢の子供がいますが、その子供のための口座を開くことができますか?

A: 口座の開設時期については制限はありませんが、開設から資金の引出しまでの期間が少なくとも36ヵ月ないと罰金が課せられてしまいます。口座を早く開けば開くだけ資金からの引出し以前に拠出できる期間が当然ながら長くなります。

Q: 授業料貯蓄口座の口座所有者は、指定された受益者との間に血縁関係が必要ですか?

A: ノー。口座所有者は自分が選んだ人を誰であっても受益者と指定することができ、その受益者には自分自身も含むことができます。年齢上の制限、口座所有者との血縁関係の存在、口座所有者あるいは受益者がNY州の居住者でなければならない、といった条件はありません。税務上の恩恵も、受益者が口座所有者の扶養家族の一員でないと受けられない訳でもありません。

Q: もし私が指定した受益者が大学へ進学しないと決心したり、卒業に到らなかった場合、どうなるのでしょうか?

A: そのような場合、いくつかの選択があります。

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受益者が大学へ進学しない場合、その受益者の家族のうち他の構成員が受益者として代わりに指定されることが可能です。

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受益者が卒業できない場合、口座所有者はその受益者の家族のうち他の構成員を受益者として指定し直すことができます。

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資金は当該受益者のために口座にそのまま残し、受益者が再び学校に戻ってくるまで置いておくことも可能です。

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資金を引出すことは可能ですが、引出した全額がNY州の個人所得税の課税対象となります。また、拠出金が生み出した投資所得は連邦税の上で課税対象となり、更に10%の強制罰金が課されます。

Q: 私が授業料貯蓄口座を開いたら、私の子供は財務援助(financial aid)の資格が失われますか?

A: NY州が監督する財務援助プログラムの傘下にあるNY州の財務援助の上では、口座にある資金は計算に入りません。しかし、連邦あるいは各教育機関ごとのプログラムでは、財務援助の資格有無を決定する上で口座にある資金が計算に入れられる場合があり得ます。

Q: 適格高等教育費用支払いのための引落としについて、連邦税の上での取扱いはどうなっていますか?

A: 適格高等教育費用支払いのための引落としがあった時点で、口座が生み出した投資所得はかならず連邦所得税の対象となります。しかしながら、次の問答で説明します連邦税額控除(クレジット)が税の負担を相殺してくれる場合もあります。

Q: NYの大学貯蓄プログラムに基づく適格授業料その他費用について、(訳注:連邦税の上での)ホープ奨学クレジットあるいは生涯学習クレジットも請求できるのでしょうか?

A: 適格州授業料プログラムに基づく適格授業料その他費用に関し、学生自身あるいは学生の親はホープ奨学クレジットあるいは生涯学習クレジットも請求することができます。但し、クレジットに有資格であるためのその他の条件も満たしていることが必要です。

Q: NYの大学貯蓄プログラムに私が参加しても、教育IRAにも拠出する資格はありますか?

A: 貴方が同じ年に両方のプログラムに参加してしまうと、教育IRAへの拠出額は連邦エキサイス税の対象となってしまいます。

Q: このプログラムに伴うNY州税の恩恵を受けるためには、個別控除が必要でしょうか?

A: 口座への拠出額は総所得から直接に控除されますので、個別控除に含む必要はありません。

Q: 私はNY州で働いているものの、別の州に住んでいます。NY州の非居住者として税の恩恵を受けることができますか?

A: 貴方の口座への拠出額は貴方のNY州所得から控除することができますが、貴方の居住している州に対して貴方が支払う税の額によっては、全体の節税に影響が出る場合があります。(訳注:NY州での税を少なくすることができても、自分が居住している州の税が増加する可能性があり、全体としては節税とならない場合がある、との説明です。)

Q: もし私がNY州から引越してしまったら、私の口座はどうなりますか?

A: もし貴方が他の州に引越ししても、口座に投資した貴方のお金はそのまま維持できます。その後も口座への拠出を継続できますし、連邦税での税の恩恵は受け続けられます。

Q: 授業料貯蓄口座への拠出金からの投資は誰がするのですか?

A: NY州監査官H.カール・マッコールの監督のもとで、TIAA-CREFの一部門であるTIAAが同プログラムの投資を管理します。(TIAAの子会社であるTeachers Advisors, Inc.が投資顧問サービスを提供します。) TIAA-CREFは、80年以上の経験を有し、管理資産が2千億ドルを超えるNYを本拠とする金融サービス組織です。(連邦の法のもとでは、州主催の授業料貯蓄プランにおける口座所有者は、投資に対する指示が許されておりません。)

Q: どういう種類の投資がされるのですか?

A: 投資は株式、債券、マネーマーケット商品の組合わせとなります。受益者の年齢が低いと、株式への投資の比重が大となり、年齢が高くなると債券、マネーマーケット商品への投資の比重が大となります。

Q: 口座への投資は保証されますか?

A: 口座からの投資には保険はありませんし、保証もありません。

Q: 口座の所有者は口座の最新の動きをどう把握できるのですか?

A: 口座の残高を含め、貴方の口座での動きを示す4半期ごとの報告書が提供されます。1999年には、無料の自動電話番号及び大学貯蓄プログラムのインターネット・ウェブサイトにより貴方の口座についての情報を得ることができます。

Q: どう開始できるのですか?

A: プログラムについての情報は、無料電話ホットライン(1-877-NYSAVES)及びインターネット・ウェブサイト(http://www.nysave.org)により簡単に入手できます。

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Copyright © 1998 Shoji Hoshino, CPA
最終更新日: 2008/01/14