2007年米国個人所得税 想定Q&Aアメリカでの毎年の恒例行事ともいえる個人所得税の申告期限の4月15日(州税の申告期限は同じか別の日)が間近に迫ってきました。申告書の作成・提出にあたって皆様にその大筋を理解して頂こうと、以下、日本人駐在員Q氏と会計士A氏の問での想定質疑応答の形式で説明を用意しました。 パートI:外国人に対する米国での課税 税金申告の義務Q氏 私は去年初めて赴任した駐在員です。アメリカでは個人が税金の申告をしなければならないと聞いていますが、本当ですか? A氏 たいていの場合、本当です。日本ではほとんどのサラリーマンは、会社が行なう給与源泉税の「年末調整」で個人所得の税金は確定され、別にその個人から申告書を提出する必要がありません。米国ではこういった「年末調整」に該当するものがなく、その年に余程所得が少なかった人を除いて、ほとんどの場合連邦政府・州市政府に対して個人所得税申告書の提出が義務づけられています。逆に、提出義務がなくても少額の所得だった人はむしろ税を還付してもらうため提出すべき場合があります。 米国居住者・非居住者の判定と相違 Q氏 そうすると、私も恐らく申告書を提出しなければなりませんが、個人の所得税はどう課されるのでしょうか? A氏 外国人に関わる米国での所得税(Individual Income Tax)の課され方を理解するためには、まず自分が米国「居住者」(resident individual)になるのか、「非居住者」(nonresident individual)になるのかの判断がとても重要になります。混乱を避けるため、州・市税(state and local taxes)の話は後回しにして、しばらくは連邦税(Federal Income Tax)に絞ってお話ししましょう。米国市民(U.S. citizen)あるいは連邦税法上の米国「居住者」は、その「全世界所得」(worldwide income)に対して税が課されるのに対し、米国「非居住者」は「米国を源泉」とする所得(income sourced in the U.S.)つまり米国で稼いだ所得)に対してのみ税が課される、という大きな違いがあります。ですから、この「居住者」か「非居住者」かという身分の相違は、米国の税務上大変に重要です。「居住者」「非居住者」のどちらになるかが分かれば、それぞれで報告が義務づけられた所得を申告し、所得調整、経費控除を施した上で税額を計算し、既に支払われている税額(典型的には給与受取りの度に天引きされた給与源泉税)とを比較して、不足していれば税の支払い、超過していれば税の戻りとなります。 Q氏 居住者、非居住者では扱いが違うことは分かりましたが、私のように赴任した者はどうなりますか? A氏 フローチャート(表1)を用意しましたので、これを見ながら話を聞いて頂くと分かりやすいと思います。連邦税の上で、外国人が居住者、非居住者であるかについては、いわゆる「長期滞在テスト」(Substantial Presence Test)を適用して判断します。このテストでは、まず最初に当年度に米国永住権所有者(U.S. permanent resident)、つまり「グリーンカード保有者」(greencard holder)であれば、その個人は「自動的に米国居住者」であるとしています。次に永住権所有者ではない外国人については、当年度の米国滞在が30日以下であればその人は当年度を通して「米国非居住者」であるとしています。
表1 2007年 米国居住者・非居住者の判定フローチャート (資料元:IRS刊行物 519)
更に、永住権所有者ではない外国人で当年度の米国滞在が31日以上の人については、当年度の滞米日数プラス前年度滞米日数X1/3プラス前々年度滞米日数X1/6で算出した合計日数が183日以上であればその個人は米国居住者であるとしています。これは183日テストと呼ばれています。但し、これにも例外があり、(1)F、J、Mなどのビザで滞在していた学生、研修生、(2)A,Gなどのビザで滞在していた外交官(diplomat)、外国政府関連職員(foreign government-related individuals)、(3)米国外に税務居住地を持ち米国以外の国との結びつきの方が米国との結びつきよりも強い個人、についてはたとえ183日テストに合格していても米国非居住者として扱われる場合があります。
さて、Q氏のように赴任年度についての判断ですが、例外には該当しない場合、赴任の時期により次のどちらかになります。 (a) 赴任後は米国居住者、赴任前は米国非居住者、という当年度の間に二つの身分を持つ「二重身分」(a dual status alien)。例えば、4月1日に初めて米国へ赴任した人は、年度末には183日テストに合格しているため、4月1日から12月31日迄の期間は居住者となり、それ以前の1月1日から3月31日迄の期間は非居住者となります。(b) 赴任年度は年間を通して米国「非居住者」という一本の身分(a nonresident alien throughout the entire year)。例えば8月1日に初めて赴任した人は、年度末には183日テストに合格していないため、1月1日から12月31日迄の年間を通して非居住者となります。 Q氏 そうすると5月1日に赴任した私は二重身分となり、11月1日に赴任した上司は非居住者という身分になる訳ですか? A氏 はい、原則としてはそうなります。でもこれにも例外があり、(a)の「二重身分」の既婚者には、1月1日から12月31日迄の「一年間」を通して「米国居住者」と見なし、「夫婦合算申告」(married joint filing)する、つまり夫婦の一年間の全世界所得を合算して一つの申告書として報告する「選択」(IRC (Internal Revenue Code) Section 6013(h) or IRC Section 6013(g) election)があります。年の始めに夫婦が共に米国非居住者であったのが、年の末には夫婦が共に米国居住者である場合は、h選択となります。所が、年の末に一方が米国居住者になったのに、他方が米国非居住者である場合は、g選択となります。ですから、いわゆる「単身赴任」の方は、後者のg選択に該当することになります。 一方、(b)の「通年非居住者」については、「初年度選択」(First Year Election)と呼ばれている選択(IRC Section 7701(b)(4) Election)があります。これは、当年度少なくとも連続して31日以上米国に滞在し、その滞在日数が連続滞在期間の初日から年末迄の日数の75%以上であれば、翌年に183日テストに合格するのを待って、滞在初年度を「二重身分」の年度とする選択です。但し、申告書提出は、翌年に183日テストに合格する日以降でなければなりません。ですから、その日が4月15日以降の場合は提出の延長願いが必要となります。 Q氏 となると、私については原則は「二重身分」、選択すれば「通年居住者として夫婦合算申告」が可能となり、上司については原則は「年間非居住者」、選択すれば「二重身分」が可能ということになる訳ですね。選択をするのは有利な場合だけすれば良いのですか? A氏 呑み込みがお早いですね。会計士に向いていますよ。イヤイヤ、冗談です。おっしゃる通り、有利な場合だけ選択すれば良いのです。まず違いについて、それから次にどういう場合に選択すべきか、ご説明します。まず(a)の「二重身分」の場合、「赴任後の全世界所得」の報告をする居住者申告書を「主」とし、「赴任前の米国源泉所得」の報告をする非居住者申告書を「従」として添付する連邦税務申告書を提出します。赴任前に米国の所得がなければ米国の税金は生じません。赴任後は全世界の所得を報告させられますが、この二重身分では既婚者であっても夫婦合算申告が許されず、「夫婦個別申告」(married filing separate)が義務づけられています。駐在員の場合、奥さんには所得がない場合がほとんどですから、たいていはご主人の申告書一本の提出となります。この場合、駐在員のご主人が提出する申告書は、夫婦合算に比べ実効税率が高い夫婦個別である上、「標準控除」(standard deduction)が許されず「個別控除」(itemized deductions)のみしか控除ができません。控除などについては、また後でご説明させて頂きます。 一方、二重身分でありながら、通年居住者として扱う選択をすると、夫婦個別に比べ実効税率が低い夫婦合算の居住者申告ができます。しかし、その代わりに赴任前の全世界所得も加えて報告しなければなりません。つまり日本での所得を入れることになります。しかし、何といってもこの際メリットが大きいのは、夫婦合算で申告できるということです。 赴任前の日本の所得を含めるのは一見デメリットのように思えますが、日本で所得税が支払われていれば、それを外国税額控除(クレジット)として米国の連邦税を減額させるのに利用することができますし、赴任が年の初めに近ければ近い程、「選択による夫婦合算申告」の方が「原則の夫婦個別申告」よりも節税になる場合が出てきます。4月位迄の赴任なら、選択して年間居住者扱いする方が節税になるというのが最近の一般的傾向です。 さて次に、(b)の年間を通しての「非居住者」の場合、赴任者は年間を通して米国を源泉とする所得だけを報告する、つまりほとんどの赴任者にとっては赴任後の米国での所得を報告するだけで済む、というメリットがあります。しかし、非居住者の申告書には既婚者に対して夫婦合算申告の選択が与えられず、実行税率が高い夫婦個別でしか申告ができないので、割高の税金を払わされるというデメリットがあります。また配偶者と扶養家族の人的控除も、日本人の場合2004年までは年間の本人の全世界所得に対する米国源泉所得の比率割合を掛けた金額まで控除できましたが、日米租税条約の改定により2005年からはそれも取れなくなり、基本的に本人の分しか人的控除(これは100%)は取れなくなりました。 一方、二重身分として扱う選択をすると、先にご説明した(a)の「二重身分」と同じく「赴任後の全世界所得を報告」することになり、既婚者は年間を通して非居住者の場合と同じく夫婦個別申告しか許されません。ですから、税率だけでいえば年間を通して非居住者とする場合と同じになります。(但し、配偶者と扶養家族の人的控除は計上できます。) どちらが有利かを決めるには、(1)12月の日本での賞与の支給、(2)居住者申告書なら損失として計上できるが非居住者申告書では計上できない項目、(3)居住者申告書なら控除できるが非居住者申告書では控除できない項目、この3点の検討が必要になります。例えば、11月1日に赴任された上司の方に4月から9月の期間を対象とする冬季賞与が日本で12月に支払われたとします。この場合、この冬季賞与は全額が赴任前の日本での勤労に伴う日本源泉の所得ですから、非居住者ならば所得として報告する必要がないのに、居住者だと全額を所得として報告する必要があります。 しかし、もし上司の方に赴任後多額の自己負担医療費や利息支払いがあったとしたら、これは居住者であれば個別控除として計上できますが、非居住者だと計上できません。それでも、恐らく賞与の額の方がこういう控除として計上できる額を大きく上回っていると思いますので、年の終わり近くに赴任の方については、やはり一般的には冬季賞与の全額あるいはその大部分の額を所得として計上しなくても済む年間を通しての非居住者の立場の方が有利といえます。 Q氏 なんだかややこしいですね。会計士さんに申告書の作成を頼むつもりでいますが、その辺は大丈夫ですかね? A氏 外国人の税務申告に経験のある会計士なら当然どの選択が有利かを考えてくれる筈ですが、気になれば頼まれる時に訊ねられたらどうでしょうか? Q氏 そうしてみます。さて私はこれから暫くの間駐在していると思いますが、今年以降の年、帰国の年はどうなるのでしょうか? A氏 赴任年度に続いて翌年以降の駐在されている期間は、恐らく183日テストに毎年合格するので、「通年居住者」となります。この場合、くどいようですが米国市民と同じく「全世界所得」を毎年報告する代わりに米国市民と同じ基準で各種控除が得られます。 帰国年度ですが、1月中に帰国すると帰国年は「年間を通して非居住者」となり、2月以降に帰国すると1月1日から帰国日迄は「居住者」であり帰国日の翌日から12月31日迄は「非居住者」であるという「二重身分」となります。この場合の税務は、前にご説明した赴任年度の二重身分とは「逆」になります。(つまり、1月1日から帰国日までは「居住者」、それ以降は「非居住者」。) パートII:税務申告書の仕組み税務申告書(Tax Returns)の種類 Q氏 税務申告書は実際にどういう書類なのですか? A氏 米国市民、居住者のための基本的提出書式として1040、通称テン・フォーティー、という書類があり、非居住者のための基本的提出書式として1040NRがあります。ちなみにNRはノン・レジダントの頭文字です。所得が少なかったり、計算が複雑ではない市民、居住者のためには、更に1040の簡便用紙として1040A、1040EZがあります。書類では自分や配偶者の氏名、住所、ソーシャル・セキュリティー番号、納税者番号などの情報書込みに続いて、自分の申告身分を記入し、扶養家族を列記した後、税の計算に入ります。 申告身分(Filing Status)を定める Q氏 申告身分とは先程おっしゃっていた居住者・非居住者のことですか? A氏 いいえ、ここでは既婚、独身などの身分のことで、フォーム1040では独身(Single)、夫婦合算(Married Joint)、夫婦個別(Married Separate)、独身世帯主(Head of Household)、扶養の子供を持った寡婦(夫)(Qualified Widow(er) with Dependent Child)、の5種類があります。累進税率が適用されるのは一緒ですが、適用額が身分によって異なりますので、同じ所得でも税額が異なってきます。参考に税率表(表2)を見て下さい。既婚の方には「合算」と「個別」の選択があります。例えば、共稼ぎで夫婦個別を選ぶと、それぞれが申告書を用意する、つまり申告書が2本必要になります。
表2 2007年連邦税・税率表 Table 2 Federal Income Tax Schedules for Year 2007
Q氏 夫婦合算と夫婦個別のどっちが得ですか? A氏 もし配偶者にほとんど収入がないか少額の収入しかない場合は、表2で見られるように、夫婦合算の方が低い税率の適用額が大きいため、一般に有利です。もし共稼ぎなら色々な要素が影響して来ますから両方に数字を入れて、合算か個別のどちらが税額が少ないかを比較検討する必要があります。 税計算の仕組み (Tax Computation) Q氏 となると、私の場合のように家内が働いていない場合は夫婦合算が有利ですね。では実際にその1040でどう税金が計算されるのですか? A氏 ここに表(表3)を用意しましたので、ちょっと見て下さい。この表にありますように、まず所得を計上しその合計である「総所得」(Gross Income)を定めます。次にこの総所得に対する「調整項目」(Adjustments)を計上し、総所得から差引いて「調整後総所得」(Adjusted Gross Income)を定めます。この調整後総所得はその英語の呼び名 の頭文字を取って「AGI」と呼ばれていますが、税務の上で大変に重要です。その次は、「標準控除」(Standard Deduction)あるいは「個別控除」(Itemized Deductions)の額、「人的控除」(Personal Exemptions)の額を定め、 AGIから差引いて「課税所得」(Taxable Income)を決定するという課税所得計算の流れになっています。
マイナス Minus
イコール Equals
マイナス Minus
マイナス Minus
イコール Equals
10万ドル未満の課税所得については、税額表をみて税額を決定 For taxable income of less than $100,000, use Tax Table for computation of tax. 10万ドル以上の課税所得については、税率表をみて税額を決定 For taxable income of $100,000 or more, use Tax Rate Schedule.
プラス Plus
マイナス Minus
イコール Equals
プラス Plus
イコール Equals
マイナス Minus
イコール Equals
Q氏 では最初にある「所得」としては何をあげるのですか? A氏 この書式を使用するのは年間を通しての米国市民・居住者ですから、前にご説明しましたように、その年の「全世界所得」をあげることになります。表の中に羅列されていますが、皆さんに関係するのは最初にある給与などの「勤労所得」(earned income)、それから受取り利子、配当金などの「不労所得」(unearned income)、自営業をしていた人あるいはサラリーマンのかたわらフリーランスをしていた人が計上する「自営業損益」(self-employed business income)、株券などの「キャピタル資産売却損益」(capital gain or loss)、不動産などの「賃貸損益」(rental income or loss)、それから「年金・社会保障の支給受取り」(pension or social security benefits)、「失業保険受取り」(unemployment compensation)などの項目かと思われます。変わった所では「受取り離婚手当」(alimony received)というのもあります。後で説明します所得調整に「支払い離婚手当」(alimony paid)というのがありますが、これと対をなしています。また宝くじ、競馬、賭事などで当たった賞金は「その他の所得」(other income)としてあげます。米国「外」に居住し勤労所得があった米国市民・居住者は「勤労所得」にその金額を含めますが、「海外勤労所得控除」(foreign earned income exclusion、最高で$85,700)を取ることができ、その控除額を「その他の所得」の箇所にマイナス表記で記入します。 Q氏 1997年と2001年に大きな税改正があったと聞いていますが、ここで関係していますか? A氏 はい、特に1997年の税改正の影響が大きいです。ここの所得の所では、特に主たる住居の売却益に対する規則の大幅変更があります。またキャピタルゲインに対する税、は1997年及び2003年の税改正で税率が大きく下がりました。 Q氏 キャピタルゲインについて、もう少し詳しく教えて頂けますか? A氏 典型的なキャピタルゲインとしては、株券や債券の売却益があげられますが、長期キャピタルゲインに対する税率は、1997年5月6日以前は28%の税率だったのが、1997年5月7日以降は20%(低所得の場合は10%)となり、これが2003年5月6日以降は更に15%(低所得の場合は5%に低減)へと大きく削減されました。「長期」であるためには、以前は18ヵ月以上の保有が必要でしたが、1998年のIRS改革法の成立により1998年1月1日以降の売却については1年以上の保有に短縮されました。税率ですが、美術品・貴金属・骨董品などの「収集品」については20%の低減税率が適用されず、28%の税率が適用となります。また、賃貸など事業使用不動産の売却益のうち、1997年5月7日以降に控除した減価償却に対応する金額迄は25%の税率が適応されます。 Q氏 となると、2007年についていえば、キャピタルゲインは28%、25%、15%の3種類がある訳ですね? A氏 キャピタルゲインを含め所得合計が低所得であった場合に適用される5%が加わりますから、4種類あることになります。 Q氏 もうひとつの主たる住居の売却についても、説明して下さい。 A氏 1997年の税制改定がある前は、主たる住居の売却益について、二つの優遇措置がありました。一つは、自宅の買換えで売却益が出ても、売却代金よりも高い額で次の自宅を2年以内に購入していれば、この売却益は繰り延べられる、というものです。もう一つは、もし売却時に55歳以上で夫婦合算申告者ならば、一生に一回ですが住居の売却益は12万5000ドル迄は非課税、とするものです。これが、1997年税制改正によりいわば一本化されて、1997年5月7日以降の主たる住居の売却益は、売却前5年間の内少なくとも2年間は主たる住居として使用していたならば、夫婦合算申告者については50万ドル、その他の申告者については25万ドル、迄を「非課税」とすることが出来ます。この新しい規則は一度の適用に限られず、適用した後また2年経てばまた何度でも適用することが出来ます。 Q氏 もし50万ドル差し引いても益がまだ出てしまう場合、税金の額はどう計算するのですか? A氏 先程のキャピタルゲインの税率15%(あるいは5%)を適用して算出します。但し、過去に貸家をしていて減価償却していた場合は、1997年5月7日以降の累計償却相当額迄の益に対しては25%の税率で計算しなければなりません。 Q氏 所得について他に何か注意点はありますか? A氏 はい、所得の申告漏れがないよう気をつけて頂く必要があります。漏れて報告していると米国の国税庁にあたるIRS(アイアールエス、Internal Revenue Service)が勝手に申告漏れの数字を足して再計算し、不足税を支払えというノーティスを送りつけてくることがよくあります。これはマッチングといって給与源泉徴収票W-2、その他報酬・利子・配当などの支払い調書1099(通称テンナインティナイン)などの支払い調書のコピーがIRSの方にも行っているため、漏れていると分かってしまうからです。パートナーシップ、LLC、S法人へ投資をしている方に対し、各人相当分の配分所得を記載したK-1という書式が発行されますが、最近IRSはそのK-1と本人の税務申告とのマッチングを強化しております。職場での福利厚生など税務上は所得としてあげなくても良いものを除き、所得に関しては税務上の規則は大変に厳しく、税法の上では違法所得でも申告すべき所得であるとされています。 Q氏 私は5月の赴任以後は日本にある家を他人に貸していますが、これはどうすれば良いのでしょうか? A氏 赴任以降は米国居住者ですから全世界の所得が課税対象となり、日本での賃貸損益も報告する義務があります。表3の中の「不動産賃貸損益」に該当しますが、勿論賃貸に関わる経費を差引いたネットの所得を報告します。日本で代理人の不動産屋から支払い調書が出ていると、情報交換でこちらのIRSへそのコピーが廻っていることがあります。但し、11月に赴任された上司の方のように年間を通して米国非居住者として税務申告する場合、日本での賃貸活動は米国外の活動ですから損益に関わらず報告する必要はありません。 マイナスの所得もある Q氏 さっき損益という言葉で説明されたのがいくつかありましたが、所得といっても損も計上できるのですか? A氏 グッド・クェスチョンですね。勤労所得は皆さんが1月に会社から受取るW-2に示されている年間グロス給料の額、及びそれに入っていない給与所得の額を一般に指しますが、これは損、あるいはマイナスにはなり得ません。同様に利子・配当金受取り所得もマイナスにはなり得ません。しかし、今話に出た賃貸所得の様に収入から経費を差引くとマイナスになってしまうことはよくあります。自営業所得も収入から経費を差引くので同じことがいえます。また、債券などの資産の売却も損(キャピタル・ロス)になってしまうことがよくあります。 Q氏 そうすると、例えば私に賃貸損失や株の売却損があったら給与などの他の所得を相殺できますか? もし出来れば節税になると思うんですが。 貸家損失は条件に叶っていれば他の所得を相殺できるA氏 条件に叶っていれば相殺できるのですが、そう甘くはありません。賃貸に伴う損益は税務の上で受動的(passive)損益と呼ばれ、原則としてその損は他の勤労所得などとの相殺には許されていません。しかし貸「家」の賃貸損についてだけは例外規定があり、もし10%以上の所有権を持った家主として賃貸に「積極的に関わって」いる(active participation)のであれば、最高2万5千ドル迄の賃貸損は他の所得との相殺が許されています。但し、これも賃貸損を含めないで仮に計算した調整AGI(MAGI、Modified AGI)が10万ドルを越えると段々削減され始め、MAGIが15万ドルを越えると全く相殺が出来なくなります。夫婦個別申告の人は、相殺できる損の最高額が1万2千5百ドルに半減し、削減され始めるAGI枠も5万ドルから始まり、7万5千ドルを超えると全く相殺ができなくなります。 Q氏 私の場合日本にある持ち家は余り良い条件で貸すことが出来なかったので、金利を含めた経費の方が収入を上回ってしまい損をしています。不動産屋に管理をまかせていますが、積極的といえますか? A氏 不動産屋に管理をまかせているからといって、積極的でないことにはなりません。まかせっきりではなく、店子の選択、家賃契約の条件設定、経費の見直しなどに関与していれば大丈夫の筈です。 Q氏 さっきお話しにあった制限によってもし損失が全額相殺に使えなかった場合、その使えなかった部分は一体どうなりますか? A氏 鋭い質問ですね。相殺できなかった損失は消えてしまうのではなく棚上げされて将来に持ち越され、将来他の受動的益が出たら相殺するか、あるいは将来にMAGIが少ない年があればその年の他の所得を相殺するのに使えます。更にそれでも残った繰越賃貸損があれば、その物件を売却した場合に発生する売却益を相殺するのに使えますから、とても大事です。それから、もし日本にある貸家がもともと赴任前は自分の主たる住居であり、帰国後もまた主たる住居として使う意図であれば、例え今は賃貸していてもそれは暫定的なものであるので「適格住居」(Qualified Residence)である、と主張する立場も取れます。この立場を取ると住宅ローンの支払い利息を賃貸損益の計算に含めるのでなく、後程ご説明する個別控除項目の一つである「住宅モーゲッジ支払い利息」として計上することができ、先程からのMAGIによる制限を外せる場合があります。 キャビタル損は年3千ドル迄他の所得と相殺可能Q氏 株や債券の売却損はどうなりますか? A氏 キャピタル損はまずキャピタル益と相殺しなければなりません。キャピタル損がない、あるいは相殺後もまだ損がある場合は、3千ドル迄他の所得と相殺ができます。それでも使い切れなかった損は将来に持ち越され、使い切るまで毎年3千ドル迄他の所得と相殺ができます。但し、夫婦個別申告の場合、この3千ドルは 1千5百ドルに半減されます。所で前に話の出た主たる住居の売却ですが、残念ながら「損」の場合は他の所得との相殺が一切出来ません。 Q氏 この表3では次に「所得調整項目」がありますね。この項目と下にある「個別控除」とではどう違うのですか? A氏 どちらも課税所得を減らすという意味では同じです。しかし、この調整項目の後にAGIが決まる訳ですし、 AGIが個別控除などで控除できる額の制限計算によく使われるため、 調整項目により課税所得が減る方が望ましいといえます。 AGIは貸「家」損失がどこ迄他の所得と相殺できるのか、という点での目安として既に話に出ましたね。それから、個別控除だと所得が一定額以上になると削減され始めますが、調整項目としてならば削減はありません。表3にありますように、調整項目には「 教員としての費用」「医療預金口座拠出控除」「予備兵、芸能アーティスト、手数料ベース公務員の特定ビジネス経費」「健康預金口座拠出控除」「転勤費用」「自営業税の半額控除」「自営業者年金拠出控除」「(本人・配偶者・扶養家族をカバーする)自営業者支払保険金の100%控除」「定期預金の満期前解約違約金控除」「支払離婚手当て控除」「個人退職金口座IRA拠出控除」「学生ローン支払利息控除」「授業料・関連手数料の控除」「国内生産活動控除」があります。IRAへの積立てが今から駆け込みで出来る節税策 Q氏 IRAは、どういうものでしょうか? A氏 IRAとは Individual Retirement Accountの頭文字による略称で、個人退職年金口座を指します。 勤労所得の一部をIRAとして預金すれば、その所得は引き出されるまで課税が延ばされるという税の優遇措置です。2007年がもう終わっていても、2007年のためのIRAの積立ては2008年4月15日まで許されていますから、今から駆込みで間に合う節税策といえます。勤労所得か4千ドル(50歳以上なら5千ドル)のどちらか少ない額迄を所得調整として使えます。1997年からは、夫婦合算申告をするものの配偶者に勤労所得がない場合でも、配偶者は積立てを所得調整として使うことができるようになりました。行動としては今から4月15日迄の間に銀行や証券会社へ行って「2007年のIRA」を開きたいといって積立てするだけで済みます。 Q氏 もう少しその仕組みについて説明して頂けますか? A氏 これは勤労所得の一部をIRAに充てると、その充てた分の所得とその後充てた拠出金が生み出す利子・配当金所得などは引出す迄は課税を延ばしてくれるという税繰り延べの措置なのです。但し59.5歳になる以前、あるいは身体障害者になる以前に引出してしまうと、引出した額に課税されるばかりか早期引出しとして引出し額に対し10%の罰金が課されてしまいます。それから、401(k)など会社の年金プランに参加している人(あるいは自分が入っていなくても配偶者が年金プランに参加している人)については、AGIの額にもよりますが、拠出額相当の所得の課税繰り延べは大抵の場合許されません。会社に年金プランがなく長くこの国に居るつもりの方の場合、IRAはお勧めです。米国市民あるいは永住権所有者ではない駐在員の方は、日本に帰国してしまうと、その後は米国での勤労所得がなくなってしまうので拠出は続けられませんが、帰国時にに引出さないで、そのまま59.5歳以降になるまで置いておくことも考えられます。置いてある間は拠出金が生み出す利子・配当金所得は非課税でそのまま膨らんでゆき、引出した時点で米国非居住者として、引出した金額に対する税を支払うことになります。帰国時に米国居住者から非居住者へと身分が変更しますので、拠出先の金融機関に非居住者になる旨の用紙W−8BENを提出すべきと思われます。 Q氏 拠出の所得に対する税繰り延べが許されない場合でもIRAへの拠出ができますか? A氏 これもグッドクェスチョンですね。税の繰延べを伴わないでIRAに拠出することは可能です。この場合でも拠出以降に生み出す利子・配当金所得については引出すまで非課税です。1997年の税制改革により、現在この拠出金相当の所得に対し課税されるIRAは2種類あります。ひとつは、従来のIRA(traditional IRA)でこれは70.5歳以降は引出しが強制されます。もうひとつは、ロスIRA(Roth IRA)と呼ばれるIRAで、提唱者の故ロス元上院議員の名前を取ったものですが、これには70.5歳以降の強制引出しがありませんし、適格引出しであれば引出した額に対する課税は免除されます。2007年については、MAGI(調整AGI)の金額により拠出可能な上限額が決まりますが、当年非課税のIRA拠出と同じく、最高4千ドル(50歳以上なら5千ドル)の上限があります。ロスIRAは、遺産税の観点からも大変に魅力のある自己積立年金となりました。課税されていない従来のIRAからロスIRAへの移管(rollover)はその年のAGIが$10万以下であれば可能ですが、移管する金額は移管した年の課税所得となります。 話が長くなりますが、1997年の税制改正によりこの他「教育IRA」(Education IRA, or Coverdell Education Savings Accounts)も設けられました。これは18歳以下の子供を受益者として指定し、MAGI(調整したAGI)の金額により拠出可能な上限額が決まりますが、その受益者一人あたり最高2千ドルまで拠出することが出来ます。これも拠出金は課税されるもののそれが生み出した利子・配当金所得は引出すまで、課税されませんし、引出した時点で引出し金が大学以上の教育に使われていれば非課税です。 それから、これはIRAではありませんが、2004年の税制改正でそれ迄の「医療預金口座」(Medical Savings Account, MSA-口座開設は2005年12月31日で打切り)に代わるものとして「健康預金口座」(Health Savings Account, HSA)が新たに設けられました。この口座が生み出す利子・配当金などの所得ですが、IRAと同じく非課税となっています。この口座へは雇用者から拠出するのが建前ですが、自分からも拠出した場合その拠出部分については所得調整項目として控除できることになっています。Q氏 たくさんのIRAがあるんですね。 A氏 チョイスが増えました が、複雑になりました。 Q氏 さて、次に自己負担部分転勤費用というのがありますが、これは私にも該当しますね。 A氏 転勤費用が認められるためには、まず50マイル・テストに合格する必要があります。これは、「新たな職場」と「以前住んでいた住居」との間の距離が、「元の職場」と「以前住んでいた住居」との間の距離よりも50マイル以上離れていることが必要です。よくある質問ですが、職場の所在地は変わらずに、自分だけが動いた「引越し」は該当しません。 Qさんは遠い日本からの転勤ですから、このテストは合格ですね。それから、費用も「家族も含めた旅費」及び「運送費」の自己負担部分だけが控除対象費用になります。但し、旅費のうち食事代は対象外です。 Q氏 会社が負担してくれた転勤費用はどうなりますか? それから、今度は逆に日本への帰国の場合の転勤費用はどうなりますか? A氏 先程申し上げた「旅費」と「運送費」の会社負担払いについては、本人の転勤費用とはなりませんが、本人の所得としてあげる必要もありません。次のご質問ですが、アメリカ市民あるいは永住権所有者には、米国から外国への転勤費用が認められますが、それ以外の人については米国から外国への転勤費用は認められません。これは米国の課税から離れる転勤(つまり転勤後は米国への税務申告をしなくなる)なので、その費用が認められないのです。 Q氏 次に行きまして、標準控除か個別控除かどちらか大きい方とありますが、これはどういうことですか? A氏 連邦政府は各納税者に対し、何もなくても引ける最低の概算経費として「標準控除」を与えてくれていて、実際に引ける経費である個別控除と比べてどちらか多い方をAGIから控除出来る訳です。2007年の標準控除は、独身者に5,350ドル、夫婦合算申告者・寡婦(夫)に10,700ドル、独身世帯主に7,850ドル、夫婦個別申告者に5,350ドル、となっています。65歳以上あるいは盲人である場合は標準控除は更に増額されます。他方、「個別控除」としては表3にある該当要素を合計して計算しますが、これはスケジュールA(Schedule A)という別表に記載し、1040に添付することになります。 個別控除の要素Q氏 個別控除についてもう少し詳しく説明して下さい。 A氏 個別控除ができる項目として「医療費」、「諸税」、「支払い利息」、「寄付金」、「災害・盗難損失」、「ビジネス経費・雑控除」、「その他」、などがあります。しかし、実際には使うことができない有名無実のものが多いです。 Q氏 医療費はどんなものを含むのでしょうか? A氏 本人及び扶養家族の入院費用、診察料、治療費、歯科治療費、薬代、入院交通費、眼鏡、などで保険が効かなかった自己負担分の内、AGIの7.5%を超過する部分のみが控除対象となります。この7.5%という高い障壁があるため、余程の自己負担出費があるか、所得が比較的少なかった年だけに節税に役立つことになります。 Q氏 諸税の説明に、州・市所得税あるいは州・市売上税のどちらか、とありますがどういうことでしょうか? A氏 2003年までは売上税、つまりセールス・タックスは控除ができませんでした。そのため、州所得税のない州(アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テキサス、ワシントン、ワイオミング)の人は控除すべき州所得税がないという不都合がありました。そこで2004年の税改定で売上税がつけ加えられ、州市所得税か売上税のどちらかを控除することができるようになりました。州市所得税を支払っている人はどちらか大きい金額の方が引けることになります。この改定は当初2004年と2005年のみに限定でしたが、2006年と2007年にも延長されました。 Q氏 でも私はセールス・タックスの書かれたレシートを全て持っていませんよ。 A氏 大丈夫です。IRS発表の簡便表から概算額を使うことが出来ます。でも高額な物品を購入したなどがない限り、州・市所得税の金額の方が一般に大きい筈です。さて、州・市所得税または売上税の他に、不動産税(別荘などセカンドハウスの分も可)、動産税、などが諸税としての控除対象となります。日本での所得も申告している場合、その所得に対して日本で支払った所得税も控除対象となりますが、直接に税を減額できる「外国税額控除」の方が有利な場合、ここでは使わない方が得策です。Q氏 利息なんですが、クレジットカードの支払いが遅れたための利息や、車購入ローンのために支払った利息は認められますか? A氏 両方とも残念ながら控除の対象となりません。しかし、住宅ローンの支払い利息はセカンドハウスを含め二軒まで控除対象となります。但し、住宅を担保としたローンであることが条件になります。また、控除対象となる利息はローン借入金の内100万ドル(夫婦個別申告者の場合、50万ドル)までに対応した部分の利息に限られます。また、値上がりしている住宅を担保として別途借りるホームエクィティーローンへの支払い利息も、そのローンの使われ方に関わらず控除対象となります。ですから、既に自宅を所有されている方は車購入の際に、自動車ローンを組むのではなく、ホームエクィティーローンを組めば支払い利息を経費として控除できることになります。但し、これも元金10万ドルを上限(夫婦個別申告者の場合、5万ドル)とした部分に対応する利息金額が上限となります。 住宅購入時に支払ったポイント、オリジネーションフィー(利息の前払い)は、支払った年に全額が控除対象となりますが、ローンの切替えで支払ったポイントについては、新規ローンの年数で割って毎年少しづつ控除対象にします。証券会社に置いたマージン勘定、あるいは投資のための借入金による支払い利息も、ネットの投資所得の額を上限として控除対象になります。 マイホームは節税に役立つ Q氏 自分の住宅を持つのと、アパートや借家に住むのとでは、ここではどう違いがありますか? A氏 自己の住宅所有には様々な税の優遇措置があります。 セカンドハウスの分も含め、住宅ローンの支払い利息、利息の前払いであるポイントまたはオリジネーションフィー、不動産税が経費として計上できますから、これは控除としては大きな額となり、相当額の節税になります。例えば、年間で住宅ローンの支払い利息が1万4千ドル、不動産税の支払いが6千ドルあり、自分の平均税率(最終確定税額の課税所得に対する比率)が 25%だったとしますと、単純にいえば支払い合計の2万ドルに対する25%である5千ドルもの連邦税の節税がもたらされます。 こういった恩恵は自宅を持っていない人には何もありませんから、自分の家を持つのはIRAと同じくこの国に長く住むつもりの人にはお勧めです。 Q氏 寄付なんですが、証拠は必要ですか? A氏 必要です。250ドル未満の寄付であれば、証拠としてはキャンセル小切手または寄付先からの領収書で充分です。250ドル以上の寄付だと、受取りを示す書面での領収書を寄付先から貰う必要があります。また、500ドル超の価値の「物品」の寄付については、別表8283に内容を記入し申告書に添付することが義務づけられています。更に、5千ドル以上の寄付となると、書面での鑑定評価が必要になります。それから500ドル超の価値の自動車、その他車両、船舶(ボート)、または飛行機の寄付については、更に寄付先から書式1098-C(あるいはそれと同等のもの)を貰い申告書に添付することが義務付けられています。 Q氏 慈善コンサートへ行きましたが、どうなるのでしょうか? A氏 寄付に対してコンサートやディナーという見返りがあった場合、寄付先は見返りの推定価値を示す文書を寄付者に提出する義務がありますし、寄付者はその額だけ差し引いて残りの額を寄付金とします。寄付先からの手紙で確認してみて下さい。 Q氏 調べてみます。 次に災害・盗難損失とありますが、これももう少し説明して下さい。 A氏 医療費と同様に、保険の受取りを差し引いた自己負担分が対象になりますが、突発事故による損失であることが条件となります。ですから、例えば白蟻によって家が突然に倒れても、これは長い時間の末起こった崩壊であるため残念ながら対象となりません。 対象となる損失は一件ごと100ドルを差し引いた分を合計し、損失合計額がAGIの10%を超過した額だけが控除の対象となります。ですから、これも医療費と同じく、多大の損失を蒙ったあるいは余程所得が少なかった年だけが控除可能となります。 相当額のビジネス経費は節税になるQ氏 次のビジネス経費は私のようなサラリーマンに関係しますか? A氏 勿論です。出張、顧客訪問などで会社から払い戻されなかった交通費、通行料、駐車場代金、接待飲食などの交際費、自家用車の業務使用に伴うガソリン代・減価償却費または1マイル当たり48.5セントの推定費用、組合費、教育費用、ビジネス関連新聞・雑誌購読料などが計上できます。但し、交際費は50%のみが控除対象となり、教育費用は自己の現職務向上に結びつくことが条件となっています。 Q氏 ポケットマネーで英会話を習っていますが、これはどうなりますか? A氏 自己の職務の向上になりますから、控除対象となります。更に、ビジネス経費に加え、自己負担で支払った税務申告書の作成費用、銀行のセーフティーボックス使用料などを足した合計額をまず出しますが、ここでもAGIの2%を超過した額だけが控除となります。2%の障壁がありますが、費用がかなり多かった方は費用をかき集めるだけの価値はあります。 Q氏 「その他」の個別控除にはどういうものが該当しますか? A氏 例えば総所得の所で宝くじの賞金を「その他所得」としてあげた場合、損失の額もここで控除できます。但し、この額は所得としてあげた額を上限としています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||